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東京都は、2025年4月から新築住宅に太陽光パネル設置を義務化する方向で検討しています。
2022年12月に住宅への太陽光発電設備・断熱・省エネ性能設備などの整備義務をまとめた条例改正案を提出予定。
議決後、2年間で周知・準備を進める予定です。
2030年に温室効果ガス排出量を2000年比の半分にする「カーボンハーフ」を目標としており、建物への対策が急務となっている背景があります。
今回は、東京都の太陽光発電義務化の内容と義務化によって起こる問題を解説していきます。
対象は個人ではなく大手住宅メーカーで、新築戸建てを対象に太陽光パネルの設置を義務付ける方針です。
義務化の背景には、2030年に都が目指す「カーボンハーフ」があります。
都内のCO2排出量の7割が建物でのエネルギー使用に起因しており、カーボンハーフ実現のためには、建物への対策が重要です。
また、2050年時点で既存住宅の7割が新築建物に置き換わる見込みのため、今後、新築建物への対策を一層強化する方針を示しています。
太陽光パネルの設置義務者は、都内の大手住宅メーカーなどの事業者で、新築住宅を含む新築建築物が対象です。
施主は環境負荷低減に努めるという観点から、太陽光パネルの設置や断熱設備・省エネ性能設備などを整備した住宅購入を検討しなければなりません。
建売分譲住宅の購入者についても同様で、環境負荷低減に努める立場から購入を判断します。
太陽光パネル設置の義務化により起こる問題には、以下3つがあります。
定期的なメンテナンスの必要性
住宅価値への影響
売電利益の確定申告
太陽光パネルは、定期的なメンテナンス(保守点検)が義務付けられています。定期点検の費用は、専門業者に依頼すると1回あたり3万円程度。また、太陽光パネルのパワーコンディショナーは15年程度に1度交換する必要があり、費用は約23万円と言われています。
住宅価値への影響として、太陽光パネル設置に不向きな住宅の場合、相対的に資産価値が下落する恐れがあります。土地区画や日照などで発電効率が変わるので、土地・建物を選ぶ際には考慮したいポイントです。
また、売電利益の金額によっては確定申告が必要になる点もおさえておきましょう。
太陽光パネルの設置義務は住宅メーカーが負うものですが、住宅施工費の上昇に直結するため、購入者の負担増は避けられないようです。
都は太陽光パネルの設置による初期費用は、電気代の節約効果や売電収入により10年間で回収できるとしています。
しかし、初期費用の準備が負担となることには変わりなく、さらにメンテナンス費用も考慮しなければなりません。
小池都知事は、金銭面の支援について「専門家の意見を聞きながら、丁寧に検討し、必要な支援などに繫げる」と発言しています。
今後、特に費用負担に関わる補助金制度に注目しながら慎重に検討しましょう。